ハーヴァード大学医学部在学中にジェフリー・ハドソン名義で発表された作品。
1968年度のアメリカ探偵作家クラブ賞を、同年の候補作であった傑作として名高いディック・フランシスの『血統』を退け受賞しました。
中絶手術で患者を死なせたとして、逮捕された産婦人科医。
だが彼の友人である主人公はその無実を信じ、真相をさぐりはじめる、といった探偵物です。
マイクル・クライトンの作品の中では他のエンターテインメント性旺盛のものとは少し趣の異なったがっちりとしたディテクティブ・ストーリーとなっています。
クライトンとしては、発表当時違法であった妊娠中絶に関する問題に対する彼なりの主張を推理小説の形で論じたもので主眼はそちらの方にあります。
小説の舞台がハーヴァードの医学部になっており、しかも登場する医師達が、当時のハーヴァードの人間が読めば、誰々のキャラクターがそのまま描写されている事が判る内容で、この”ジェフリー・ハドソン”なるハーヴァードの内情に精通した人物は一体誰なのかと、当時学内でかなりの話題になったそうです。
なお、この作品はただちに映画化権が買い取られ、ブレイク・エドワーズ監督によって、映画化作品も製作されました。