それまでマイクル・クライトンと言えば、「『アンドロメダ病原体』の…」と語られていたのが、本作以降「『ジュラシック・パーク』の…」に変わってしまった程の、正に代表作となった傑作小説ですね。
近代のバイオ・テクノロジーの進歩とその倫理問題について論ずる冒頭の序文に始まり、恐竜の遺伝子からの復活の技術論や、様々な科学的情報、数値データを駆使して、読者に疑う隙を与えないリアリティのある描写で物語が綴られていきます。
バイオテクノロジーで蘇らせた恐竜をテーマ・パークで公開する、というプロットはこれだけの事に巨費を投じられる団体は現代の社会では民間企業が営利目的で行うという理由付けしか考えられない、といった事をクライトンは述べていますが、その結果、計らずもテーマ・パークでの惨劇というストーリーはクライトンの映画作品『ウエストワールド』を思わせる話になりました。
また、このジュラシック・パークに投資する企業が日本企業という設定もなんか実際にあってもおかしくない設定ですね(^_^;)
スピルバーグ監督の手により映画化された『ジュラシック・パーク』は映画史に残る超ヒットを記録し、一般的にはこの映画版の方が有名ですが、映画版はストーリーをかなり換骨奪胎している関係上、原作であるこの小説版の出来は越えられなかったように感じました。
1995年にはこの作品の続編である『ロスト・ワールド〜ジュラシック・パーク2』も発表され、こちらも既にクライトン自身の脚色により映画化のプロジェクトが進行しているようですので、また話題となる事でしょう。