E姐的世界出張所

 李小龍電影回顧展レポート補完版
「アチョー!」はギャグだった…かもしれない (TEXT by Eちゃん)

はじめに
細路祥
千萬人家
苦海明燈
孤星血涙
早知當初我唔嫁
詐癲納
甜姐兒
雷雨
人海孤鴻
死亡遊戯之旅
おわりに
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「千萬人家」 A Myraid Homes '53 白黒 字幕なし

守銭奴の様な人間味の無い父親から、家族の心が段々離れていって、次第に父親は孤独を感じる様になり、やっぱり貧乏でも、お互いを思いやって楽しく家族と暮らすのが一番…と悟るような、「渡る世間は鬼ばかり」の様なホームドラマ。
普通、現代の香港映画には英語と中国語(どちらかひとつか、或いは両方とも)の字幕スーパーで“訳”が付くものだが、この映画はまるっきり、何の字幕もありゃしない。お蔭様で、ただひたすら廣東語のセリフを聴く以外に、映画を理解する手段は無いのだが、恐ろしい事に、観客の中にロシア人男性(推定年齢28歳)が紛れ込んでいた。しかも!どう見ても旅行者だ。しかも!ヒッチハイクで貧乏旅行を続けるバックパッカーに違いない。それは長いこと洗髪してない金色の頭髪や、汗と埃と泥にまみれてボロボロになった質素な衣服からも明らかである。なぜ、ロシア人と推測したかと言うと、全身からにじみ出る「ペチカ」の匂いと言いましょうか、「走れトロイカ、ほがらかに、鈴の音高く…」といった雰囲気とでも申しましょうか、ってゆーか、要するに早い話が、奥目気味の顔つきが「鳥人ブブカ」にそっくりだったってわけよ。ブブカ選手に似ているのだから、ロシア人に違いない!と推測したまでよ。おそらく“ゼルゲイ”とか“アンドレイ”とか“ウラジミール”などと名乗るであろう、このロシア人(推測)には、字幕なしでは、この映画理解できまい!到底無理でしょう。それなのに微動だにせず、無表情でじーっとスクリーンに見入るセルゲイ、狙いは一体何なのか?ソ連は崩壊して、KGBも解散したのではなかったのか?セルゲイ!何故?一体、何の目的で香港に上陸し、しかも字幕すらありゃしない50年近くも前の白黒映画を観なければならないのか?謎は深まるばかりだった。

見どころ

<その1>
「渡る世間は鬼ばかり」に於ける「えなりかずき」の様な、リー先生の子役としての役割の全うの仕方。13歳にもなっている筈なのに、7〜8歳の子供が履く様なオーバーオール・タイプの(要するに胸当て付き)半ズボンといういでたち。

<その2>
しかも!おとな達の手拍子やらハーモニカ伴奏やらに合わせて、女の子と2人で北朝鮮の天才幼稚園児の様にニコニコ笑いながら!その場で手を振り、足踏みをしながら!「走!走!走!」(行く)とか「吃!吃!吃!」(食べる)などといった歌詞が羅列するノーテンキな歌を、大袈裟なジェスチャー付きで高らかに歌いあげるのであった。「ロンパールーム」のお遊戯の時間…といった感じか。眉毛をくっと上げて目を見開いて歌う様子は、これが将来あのブルース・リーになるとはとても信じられない程の「可愛らしさ」であった。
このまま、この路線で突っ走ったら、“歌のお兄さん・田中星児”と化してしまうところであった。

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