E姐的世界出張所

 李小龍電影回顧展レポート補完版
「アチョー!」はギャグだった…かもしれない (TEXT by Eちゃん)

はじめに
細路祥
千萬人家
苦海明燈
孤星血涙
早知當初我唔嫁
詐癲納
甜姐兒
雷雨
人海孤鴻
死亡遊戯之旅
おわりに
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「孤星血涙」 An Orphan's Tragedy '55 白黒 字幕なし

またしても、やられてしまった!それも全く同じ手口で!
今回もリー先生は、一応主役“復生”役で、前半、愛らしい少年をけな気に演じる。“復生”の父親は医者だったが、インチキ薬売りにだまされて、無実の罪を着せられ投獄される。脱獄して逃げる途中、偶然息子の“復生”にバッタリ出会う様な不自然さもあるものの、父親の影ながらの援助に応えて、“復生”は医者になる為、勉強する決意を固める。で、駅のプラットホームにて近所の人に見送られながら、「あっ、汽車が来た。では行って参ります。」と、りりしくも勇ましく、汽車に乗り込む訳だ。
そして、次のシーンで、全く同じプラットホームに同じ汽車が今度は帰って来るわけだ。
そこで「ただいま〜」と拍子抜けするバカ殿声で登場するのが、例の藤山寛美、しからずんば毛沢東主席似の「変な、マヌケな、つまらない、くだらない、やなオヤジ」なわけよ!「こんなに立派に成長して…」みたいな雰囲気で歓迎されるんだけど、あんなりりしい少年が、こんなしまりの無いオヤジにすり替わってしまうことを「成長」と呼ぶのであれば、わたしゃ「成長なんてしたくな〜い!」ってなもんで、おいおい!私らは別に、「藤山、しからずんば毛主席」を観に来ているわけじゃないのだよ!ここに来てるほとんどの観客は「ブルース・リーの回顧展」を観に来てるのであって、別に「藤山・毛主席」が見たいわけでもなんでもなく…それなのに、後半は「藤山・毛」の独壇場がエンエンと続き、もう二度とリー先生は登場しないのである!これは、リー先生の死後、「死亡遊戯」('78)でそっくりさんの吹き替えを使ったものより、更に悪質ではないか?回想シーンのひとつも入れてくれたらどうなのよ?!えっ?!
成長した“復生”(つまり「藤山・毛」)が、父親役と並ぶと、その腹の出具合やハゲ具合から、どうしても「親子」と言うより「同級生〜50年ぶりの再会〜」っていう風に見えてしまう。
「怒りの鉄拳」をにぎりしめた我々が、最後まで「暴動」のひとつも起こさず、おとなしく映画を見終えたことが不思議なくらいだ。
どうも'50年代の香港映画では、この「藤山・毛オヤジ」が苦労して医者になるストーリーが定番で、その少年時代を担当するのがリー先生だった…ということの様だ。
当時は有名なスターだったのかも知れないこのオヤジ、まさか約50年後に、こんな「恨み」を買うことになろうとは夢にも思わなかったであろう。しかも単なる「逆恨み」ですし。

見どころ

<その1>
ふざけて力こぶを作ってみせる15歳のリー先生の腕には、すでにたくましい筋肉が見られる。

<その2>
“幼なじみの彼女”役で蕭芳芳(今やベテラン大女優)の子役時代のかわいい姿が見られるが、これもやはり途中から「藤真梨子しからずんば大竹しのぶ」みたいなおばさんとすり替わってしまう。このおばさん、他の映画にも多く出てくるから、どうやら人気女優だったみたい。'50年代の。

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