ブルース・リー フィルモグラフィ
|
香港・ゴールデン・ハーベスト(嘉禾電影)制作配給
(1981.3/21〜3/27公開)
日本配給・東映 (1981.6.20公開)
制作・鄒文懐(レイモンド・チョウ)、監督・呉思遠
キャスト:唐龍(タン・ロン)、黄正利(ウォン・チェンリ)、ロイ・ホラン、喬宏(ロイ・チャオ)、他
| 概略 |
日本公開時、「実はもう一本の作品(題名は未定だった)を企画しており、「死亡遊戯」と並行して、一部のシーンは、既に撮影されていた。」との宣伝文句で公開された作品。
本編をご覧になった方ならお分かりの様に真っ赤なウソ。フタを開けてみたら事実は『燃えよドラゴン』のNGフィルム、それも実質5分程度の物だったという映画。東映ともあろう会社がよくもまあこんな詐欺まがい、もとい、正真正銘の詐欺(笑)的ニセ情報で観客を騙そうとするのか全く嘆かわしいですが、映画は映画館に客を入れてしまえば勝ちというものの、こういった行為がまかり通っているのが映画業界の不思議なところですね。
さて映画自体はリーの未公開シーンを元にしたビリー・ロー(香港版では李振強)の登場シーンは前半30分ほどで、しかもリー本人の映像は5分程度、さらに純粋な未公開映像は1分しかないという70年代に他の映画会社が作ったまがい物ブルース・リー映画と殆ど変わらない作りの珍品。しかしながら僅かでも未公開シーンが見れるという点では貴重な映像ではあります。
映画冒頭、武道家チン・クー=泰谷(黄正利)の元に友人のビリー・ロー(演じているのは唐龍か?)が何故か訪れるが、何故かいきなり外人がチン・クーに挑戦します。このシークエンスでブルース・リーが茶を飲むカットが挿入されますがこれは『燃えよドラゴン』にあった物かそのアウトテイクなのかは判りません(同一の物の様にみえますが)。
チン・クーがなんなく相手を倒すと、ビリーも「私もいつも挑戦者が表れてこの前も撃退してやりましたよ、はっはっは」とその回想シーンへ。回想シーンのアクションはリーのソックリさんですが「死亡遊戯」香港バージョンからの流用シーンで、「死亡の塔」香港版でには無いシーンです。何故かビリーが両手に瓶を掲げそれを挑戦者が蹴破るという意味不明のアクションが笑えました。
続いて、ビリーは何故か喬宏演ずる高僧の元に訪れる。そこでのリー本人と喬宏の会話のシーンは『燃えよドラゴン』香港バージョンからの流用で一応日本では未公開シーン。ここでは元のフィルムではリーが自らの武道哲学を語る崇高なシーンだった物を単に「弟の素行の悪さを注意してあげなさい」と言った内容にされてしまっています。
このシーンは「燃えよドラゴン」の香港版や特別編で見れるものよりラストが若干長く、リーが高僧の元から歩き去る部分約3秒は「燃えよドラゴン」では見ることの出来ない部分です。
国際版ではこのシーンで回想としてリーの子役時代の『細路祥』と『雷雨』からの映像が挿入されます。(香港版にはなし)
次にビリーが弟のボビー(李振国)の部屋を訪ねるシーン。ここで漸く本当の未公開シーンが登場します。リーが部屋に入り部屋を見回すと卓上にある本に気づいて手にとろうとするまでのワンショットおよそ25秒(笑)。本来は『燃えよドラゴン』でハンの島に着き、あてがわれた部屋に入ったリーが部屋を見回し鳥かごを見たあと制服として用意されている黄色い道着を見てフンとせせら笑い卓上にある自分の本に気づくというシーンのはずですが、ここでは手に取ったのはエロ本でそれをゴミ箱に投げ捨てるという情けない設定に。。(苦笑) そのあと吹き替えのシーンが続き、そのリーのカットの後に続くはずであったであろう本を手にするリーの姿の未公開シーン約8秒が現れます。ここでリーが手にしているのが『少林寺・振強拳法與練習 第三集』という名の本で裏表紙がリー本人の写真。このカットのスチル写真は『燃えよドラゴン』公開時からよく見かける物ではありました。
この映画の国際版では主人公の名がビリー・ローと「死亡遊戯」の続編ないし姉妹編としての格好になっていますが、香港版では李振強という役名になっているのはこの本のタイトルがそうなっているからなんですね。『燃えよドラゴン』ではリーの役名は単に李としかかかれてなかったですが、李振強というのは「燃えよ」での役名の設定だったのかもしれません。(と言うこは香港版では「死亡の塔」は「死亡遊戯」じゃなくて「燃えよドラゴン」の続編って事か・・・)
次のシーンは映画の冒頭で登場したチン・クー死去の報道を目にしたビリーが涙するという設定のシーン。本来は妹スー・リンの死の事実を知らされて涙するシーンからの流用(か、そのアウトテイク)。それに続く父親に挨拶して父親が腰掛けるまでのワンショット約10秒は純粋な未公開ショット。この映画ではその10秒が二つに切断されて使用されていますが、、。本来は涙するシーンは後で出てくるはずのシーンなのでここでは泣いているビリーが2秒後にはにこやかに笑っているという不自然なつながりになっています。このシーンでビリーはチン・クーには私生児の女児がいて、日本の銀座のクラブで歌手をしている事を聞かされます。続くシーンで現れる新宿歌舞伎町の町並みにガクッとしてしまいますが、日本のTVで放送された時の吹き替えではしかっり「新宿」にされてました。
日本の”銀座”にやってきたビリーがいやがるチン・クーの娘から無理矢理父の死因を聞こうとするシーンで、『燃えよドラゴン』でのリーとメイ・リンとの会話シーンのアウトテイク5カット計約15秒があらわれます。記録ミスで衣装を間違えて撮り直しになったボツフィルムのようですね。
以上でリーの未使用シーンは終しまい。以降のビリーのシーンは全てソックリさんの演技になります。ここまでリーの純粋な未公開シーンは見ての通り全61秒(爆笑)。1分のフィルムを元に1本の映画ができてしまうのも凄いですが、勝手に撮影したリーの僅かな映像を使用してリー特別出演として公開した『麒麟掌』もマッサオな映画ですね(^_^;)。これなら『ブルース・リーの生と死』やその後の『ブルース・リーの神話』の方がよっぽど未公開シーンが多いですね。
この後ビリーは何者かの手によってあっけなく死亡(国際版ではまたリーの葬儀のドキュメントフィルムが挿入される)、弟のボビー(唐龍)が兄の死を追っていく内容に移行。しかしボビーの前に待ち受けているのは「燃えよドラゴン」のリーとブレイスウェイトのシーンそっくりな部屋や、ハンの地下工場ソックリのセット(笑)。オマケに「死亡の塔」なる塔まで出現。本当はこのシーンもリーの未使用フィルムを使う予定だったのが明らかに判りますが、どうせなら使って欲しかったですね。そうしたら「ラストアクション」もまんざら嘘でもなかっただろうに(^_^;)
当初この映画が制作されていた時は「死亡遊戯」の未使用フィルムでもう一本作るといった話が伝わって来ていましたが、”地下の逆さ塔”の戦いとかでトラックスーツを来たリーの未公開アクションや、トラックスーツを脱いでの地下工場の闘いのシーンがあればもう少し価値は上がっていたかもしれないですね。噂のリーの未公開野外戦や「燃えよ」の対オハラ戦を思わせるシチュエーションもあって実際に利用されなかったのが残念です。
当時、まだある未使用フィルムを使って更にもう一本『東から来たドラゴン』なる映画も作るなんて話も伝わってきていましたが、流石にこれはお流れになったようです(^_^;)。
リー登場以外のシーンでは、ビリーが仲間(誰だ?)とチン・クーの葬儀に訪れると流れているのがお経じゃなくてお経風の合唱なのが変過ぎて面白いのと(この曲のCD欲しいなぁ(^_^;))、「燃えよドラゴン」のリーとブレイスウェイトのシーンそっくりな部屋でボビーにフィルムを見せているへんなオヤジの付髭がヘン過ぎるのとか、クライマックスの闘いでボビーを襲うヒョウの毛皮を着たヘンなヤツとか結構モンド映画ファンには別の意味でたまらない作品かもしれないですね。
ところで、この映画の劇場公開時、見終わって映画館を出るとき後ろを歩いていたカップルの女性の方が「あー面白かった」と満足げな声をあげていたのが印象的でした。制作or配給会社の思惑に反して、リーとしての映画ではなく単なる娯楽映画として見た人が一番楽しんだのかもしれません。それが一番正しいこの映画の見方なのかも。
| バージョン |
私が見たことがあるのは香港版、国際版(英語版)、日本公開版の3つ。

| ビデオソフト |
■国内版■
・VHS:ポニー V108F1350 86.5.21/ポニー・キャニオン PCVP-10243 90.7.21/東和ビデオ PIVS-7071 97.9.25
・β:ポニー X108F1350 86.5.21 ・LD:(李小龍大全集)ポニーキャニオン PCLP-00329-5 92.7.1
これらは全て同じマスター。基本的に英語音声による国際版ですが、タイトルが「Game of Death II」になっています。LDは副音声で広東語音声付き+香港版オープニング&エンディング映像のオマケ付き。ポニーキャニオン以前の物は現在絶版。現在東和ビデオからリリースされているものもポニーと同じマスターを使っていますが、オマケとして香港版予告編付き。
■香港版■

香港ヴァージンのビデオは、、買う気がしなかったので、、(^_^;)見てません。VCDはワイドスクリーン&広東語・北京語2カ国語。スケベシーンがカットされてます(^_^;)。
DVD:寰宇録影 5058 1999.3 (国コード:ALL)北京語・広東語をそれぞれドルビーデジタル5.1chサラウンドにリミックス。画面サイズは4:3シネスコ。字幕は9カ国語(日本語、英語、中国繁体字、中国簡体字、インドネシア語、マレーシア語、タイ語、ハングル語、ベトナム語)が選択可出来るほか英語によるクローズドキャプションを収録。オマケとして「ドラゴン危機一発」、「ドラゴンへの道」「燃えよドラゴン」「死亡遊戯」「死亡の塔」「ファイアー・ドラゴン」の香港版劇場予告編を収録。
■シンガポール版■
VCD:新河影視/MEGA STAR MS/VCD/041/SE 1997年シンガポール、マレーシア、インドネシアで販売されている物ですが、上の香港版と同じです。
■台湾版■
VHS:標緻
私は見ていないので詳細は判りません。
VCD:MEGA STAR TW/VCD/003 1998年頃台湾で限定発売されたというVCD。カートンBOXの中身はシンガポール版が入ってます。
VCD:皇統 V-006 1998年頃■中国版■

【サントラ(日本公開版)】LP:ビクター VIP-28022 81.6.21(廃盤)
A:1.アローン・イン・ザ・ナイト(ヴォーカル/ブルート・イースト・ファミリー) 2.アローン・インザ・ナイト(ピアノ・ソロ) 3.挑戦 4.ボビーへの手紙 5.フォールン・ヒーローズ(インストゥルメンタル) B:1.フォールン・ヒーローズ(ピアノ・ソロ) 2.復讐 3.アローン・イン・ザ・ナイト 4.地獄へ行け! 5.フォールン・ヒーローズ(ヴォーカル/ブルート・イースト・ファミリー)
私は買ってません。(笑)
Last Modified 23,May.1999 takeboh@takeboh.com